文芸誌『弦』42号が発行されました。

弦短歌会の文芸誌『弦』42号が、2月に発行されました。

 

県歌人連盟役員 新春詠

県歌人連盟役員の新春詠を紹介します。
2月22日の北日本新聞の朝刊に掲載されました。

 

米騒動より百年とふ地方紙の特集開く元旦の朝    上田 洋一
「富山県歌人」を読めるお正月斯かる平安 積み重ね来し  畔田 正幸
鳥のため残しておきし富有柿 食べきれず雪上の点描となる  石垣美喜子
初春にブリ大根を妻と食み海と山との生き来し想う  平井 信一
元旦は雨となりたる平成の三十年よおだやかにあれ  安宅 栄子
夫も吾も和服にむかへる元旦の習ひうれしも細雪降る  上田 洋子
青透ける空に立山雪嶺の光る新年いやけし吉事  上野 博之
大歳の厨に幼も顔寄せて小鳩のように豆の味見す  江尻 映子
明日も又きっと目覚むと思い込み七十余年を疑いもなく  大上 正弘
土は黒、草は緑の色たもち眠りてをりぬこの雪の下  仲井真理子
北欧・ロシアのツアー共にせし年若き君が賀状よほっこり温し  西嶋圭子
スタートにもどれと指示あるすごろくの睦月の道中ひとりあがらず  畠山満喜子
野球ボールと日永を遊ぶ小柴なり吾唯足るを知る面差しに  林田 昌生
初暦めくりて始まるこの年の未(いま)だ会わざる日日の整列  山森 和子
集ひ来て「若菜下」の巻読む窓に冬陽明るし幾日ぶりに  横山 裕子
新港の橋降りくれば目の前に輝く連峰かすみて見ゆる  竹脇敬一郎
春の水シンクにあふれ春菊を洗いしのちの砂粒沈む  村山千栄子
踊り子のひしめくごときかたちして沈丁花咲けば春のしるしぞ  明石 幹雄
AIは愛にとどくよ元旦の富士の朝日のLIVEがぐらり  あべまさこ
さまざまなお国訛りのまじり合う硫黄の香る雪の岩湯に  石坂 募
雑草(あらくさ)と抜きしなずなを七草にうす雪かかるロゼットを摘む  澁谷代志枝
傾きて喘ぐ座礁の船に添ひ母のやうなりサルページ船は  眦 玲子
ウインフィルのワルツの曲を聞きながら元旦の夜の日記を記す  坪本 幸世
新しき年の始めの光り浴び鶇遊べり雪吊りの中  中川 暁子
朝日さし雪積む村をほのぼのと祈りのごとき靄につつみぬ  日名田高治
同窓の友と語れば古希の身に十七歳の心かえり来  山口 桂子

季刊短歌誌『原型富山』が発行されました。

原型富山歌人会の季刊短歌誌が、12月10日に発行されました。

短歌誌 零(ゼロ)発行されました。

コスモス短歌会 富山支部の短歌誌『零(ゼロ)』が、

12月10日に発行されました。

文芸誌『弦』41号が発行されました。

弦短歌会の文芸誌『弦』41号が11月に発行されました。

 

短歌のこだま in 宇奈月 2017 報告

11月18日(土)、19日(日)の2日間、宇奈月国際会館セレネで、

「短歌のこだまin宇奈月2017」を開催しました。
宇奈月は雨で、寒い日となりましたが、たくさんの参加者がありました。

 

1日目はトークセッションでは、黒部川開発100年についてのお話と朗読「黒部の世界」、久泉氏によるトーク「立山黒部の風土と歌と」がありました。

 

2日目の朝は初雪となりました。開会式のあと、歌人黒瀬珂瀾氏をお迎えし、「歌に立ち上がる風土と人」というテーマ

で記念講演を行いました。

 

講演の後は、自由題の部、吟行詠の部の表彰式がありました。

 

結果は下記の通りです。

 

◇自由題の部(選者 黒瀬珂瀾氏) 出詠81首
 

☆短歌のこだま大賞
  未知をゆく明るさであれ十六夜のためらひほどの緑児の土踏まず 岩瀬恵子
☆黒部市長賞
  泡立てる洗顔フォームにゆっくりと洗う足指 明日旅に出る  渋谷代志枝
☆北日本新聞社賞
  処方せんで紙飛行機飛ばさうか かーんと冬のとほき青天  女川鈴子

☆歌人連盟賞
  戸籍のごと殻を庭木に残したる蝉の行方や 空の膨らむ  中沖陸恵
  びっしりと種を抱きし向日葵は訣れに訪いし風に頷く  本郷咲子

☆優秀賞
  ものを言ふ電化製品ふえゆけど近ごろ孫たち寡黙となれり  坪本幸世
  四十二基なる先祖代々墓群がたつた一日で更地になるとは  冨田洋子
  傘の上に弾く雨音ききながら私ひとりの秋を連れゆく  上田洋子
  立ち止まり会釈をしてはすれ違うナナカマド濡れる朝の木道  石坂募
  街中を「熊あ熊あ」と広報車声は悲しく我に聞こゆる  法原洋子

 

 

◇吟行詠(選者 富山県歌人連盟役員)出詠32首
☆大賞

  もみじ葉も足湯に集いおしゃべりす一期一会の秋の宇奈月  法原洋子
☆優秀賞

  峡谷の木の葉あつめてDIY(デイアイワイ)足湯でひらめきそうな土曜日  飯田浩子
  「仲良し」像ペンギン三羽空仰ぐ男孫三人手をつなぐこと  水野恵子
  豆腐売る温泉街の小さい店おからは自由にお持ち下さい  睫邁損
  気負わずに湯浴みをしつつ大阪の話聞きおり娘も大阪に  永井紀恵子
  億年の地球の鼓動を伝うがの間欠泉は駅前の華  畔田正幸

 

第59回 富山県短歌大会 報告

平成29年10月15日(日)10時より、「第59回 富山県短歌大会」を、富山県農協会館で行いました。

県内外から100名近くの方が参加されました。

 

午前は、歌人永田淳先生による講演がありました。短歌に詠まれる時間の概念について、お話していただきました。
会員以外の聴講の方もたくさん来られました。

 

午後からは、連盟総会のあと合同歌会を行いました。123首の投稿がありました。
司会進行は、仲井真理子理事。 評者は、 前半の部は米田憲三顧問、渋谷代志枝幹事、後半の部は畔田正幸副会長、山口桂子幹事が担当し、出詠歌の評をしました。

講師の永田淳先生には、全体を総括して最後に評をいただきました。

 

大会の後は、県民会館8階レストランで、永田先生を囲んでの懇親会を行いました。

短歌会の結果は、下記の通りです。

 

◆大会賞(永田淳選)

 ◇天位(富山県知事賞 北日本新聞社杯) 拍手
  指先にぼかせばきのうの夢のやうパステル鉛筆で塗りし朝顔  平岡和

 

 ◇地位(富山市長賞 日本歌人クラブ賞 北日本新聞社盾)
  会食の吾らふうわり映りおり見えいしダム湖玻璃戸に暮れて  島田明子

  ああ君も読みしやこの本 堅香子の歌の頁に名刺と逢えり  福島美子

 

 ◇人位(富山県歌人連盟賞 北日本新聞社盾)
  スタンドの下に置かるるわが義肢は今日一日の疲れを照らす  西藤久典

  肩上げは今年でおしまひ私の蝶の浴衣を着て孫は立つ  仲井真理子

  茄子きうり父の畑に摘みし日の杳き夏雲むぎわら帽子  横山裕子

 

 ◇秀逸(富山県歌人連盟賞)
  ちりちりと胸疼く恋に夜の更くる地下『オーロラ』にきみを待つなり  松田智枝

  歌一首捧げて煎らん立葵の蕾のままの黒き羅列を  浅田敏子

  そんなにも見つめるなよと叱られてそれより夫婦ゲンカ始まる  上田洋子

  朴の葉を透りて落つる陽の斑火口のごとく蝉穴開く  篠原遙子

  「おかえり」の声は聞けぬも留守番のゐるあたたかさ金魚と住む家  在田浩美

  切り分けるりんごのもてるこの白さ君に似合ったポロシャツの色  村山千栄子

  金色の地蔵となりて幼らが影に引かれて帰る夕暮れ  日名田高治

  十八歳初投票を済ませ出る五月の風の白いブラウス  石黒久枝

 

 ◇佳作(富山県歌人連盟賞)
  一粒をこぼせば溢るる涙壺真夜シャワーを全開にして  氏原益子

  樹木葬えらびて逝きしきみの辺に酷暑さえぎる一枝伸びゆけ  松井玖美

  逝く朝にちいさく云った「ありがとう」昭和一桁生まれの男  嵯峨姫子

  獅子舞を受け継ぐ人のおらざれば静かに「村」の看板下ろす  西川敦子

  終日の豪雨あがりて巨き弧にわが街跨ぎ夕虹の立つ  日影康子

  亡き父の将棋を憶ふ勝つまでを「もいちばん」と夜を更かしゑき  菊池左多子

  合掌の形を展きチューリップは三百万本虹の海原  西島敏子


◆作品参加賞(欠席者優秀作品)
 ◇天位(富山県歌人連盟賞)
  谷隔てイモチ防除をなす粉煙 出穂の棚田を這ひ昇りゆく  宮本すず枝

 ◇地位(富山県歌人連盟賞)
  亡き孫と思ひて母は人形をしつかり抱きてくの字に眠る  長岡瑩子

 ◇人位(富山県歌人連盟賞)
  分かたるる二人の短き交信が湯屋に響めりモザイクの鶴  黒嵜晃一

  海からの風にくねりたる松林まつぼっくり手に幼の隠る  能登佳子

 

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第9回 富山県短歌大会ジュニアの部 表彰式

平成29年10月25日 富山県農協会館で、ジュニアの部の表彰式を行いました。
今年の応募総数は1573首でした。(小学校920首、中学校611首、高校42首)

たくさんの応募、ありがとうございました。

入賞作品は下記のとおりです。


◆小学校
優秀賞
   シーサーやモアイの顔で怒る母だけどやっぱり大好きな母
                                                                           奥田小5年 山岸拓登
   歩けないぐずる弟かたぐるまなんだかぼくが父さんみたい
                                                                           窪小6年 東海綾汰
   走り出す一年生の弟に転ばないようまほうをかける
                                                                           荻生小4年 村上太翼
   はじめての兄の運転ドキドキし会話少なくとなりに座る
                                                                           山室小1年 川原煌人
   音のない検査の部屋に一人きりわたしを調べる音が聞こえる
                                                                           窪小6年 飯山春輝

 

佳作
   すいかわりみぎひだりだよしそこだやったやったぞぱかんとわれた
                                                                           古里小1年 大田哲平
   あああついふとっちょパパのからだからじゅえきみたいにあせが出ている
                                                                           歌の森小2年 江尻葵
   夏休み海にもぐってわかめとりはじめてとったいそのかおりだ
                                                                           古里小3年 増田稔悠
   祖母が病み見舞い帰りの電飾の街の灯が涙でかすみ
                                                                           古里小4年 村山結唯
   きょうしょくをぜんぶたべたようれしいなぴかぴかなったわたしのおさら
                                                                           荻生小1年 松村月愛
   はじめてのママとほうちょうざくざくときったじゃがいもカレーになったよ
                                                                           荻生小1年 寺田薫乃
   春のあさいろんな色のランドセルつう学ろにも花が咲いたよ
                                                                           荻生小2年 北崎愛徠
   あこがれの歴史人物会えるなら聞いてみたいな強さのひみつ
                                                                           荻生小4年 湯野凜平

 

◆中学校
優秀賞
   部活終え差し入れのスイカにかぶりつく渇きも疲れもみんな呑み込む
                                                                            井口中1年 東優里
   家の庭に祖父母並びて草を引く二つの影の寄り添い伸びて
                                                                            井口中3年 小林翼
   波に揺れ月夜がてらす銀ルアー風ここちよい真夏の夜釣り
                                                                            滑川中2年 長崎典哉
  「バイバイ」と振ったその手をおろせずに君の背中をずっと見つめる
                                                                            城端中1年 三島柚乃

 

佳作
   冷たいなあ頭で鐘がなりひびく食べ終わらない巨大かき氷
                                                                            氷見北部中2年 坂口美咲
   剣先にじわじわ伝わる威圧感僕も負けじと相手をにらむ
                                                                            城山中2年 中屋優騎
   ネット前ふわりと浮いたそのシャトルここぞとばかり猛烈プッシュ
                                                                            城山中2年 小澤美緒
   女子だもの給食のおかわりしづらくてたかる男子を横目に睨む
                                                                            井口中3年 中嶋彩佳
   寝転んで午前三時の流星群光りの道に心が躍る
                                                                            高志野中2年 長井史花
   漆黒の孤独に輝く星繋ぎ星座と呼んだ昔(いにしえ)の人
                                                                            井口中3年 開澤奈桜


◆高校生
佳作
   一つだけリンゴのほおが早々と真っ赤に染まる恋の始まり
                                                                            小矢部園芸高1年 金田優花

 

「短歌づくり応援ボランティア」活動報告5:滑川市立滑川中学校文芸部(2017.8.1)

夏休みの最中、滑川市立滑川中学校文芸部において、自作の推敲をめざした歌会による応援を実施しました。
およそ1年ぶりの応援活動でしたが、生徒さんの心身ともに顕著な成長がとても印象的でした。
始めに講師が「短歌は心のストレッチ」と語りかけ、歌会の構えを整えました。出席の生徒は6名で、13首について批評し合いました。
選歌は一人2首、その2首の「良いところ」も考えてから歌会に入りました。歌材は、身近な事あるいは想像によるものでした。若者らしく、流行語(「うぇーい」、リア充)も織り込んだ作品もあり、講師が、生徒から意味などを教えてもらいながら進めていきました。昨年の作品よりも調べや 構成、考え方などにおいて、確かになっていました。歌会での発言も作品世界に踏み込んで意見を交わすなど、鋭い感性も輝いていました。

歌会では、互いのよさを確かめながら、それぞれの作品を吟味し、検討点についての改善方法をみつけていきました。歌会を通して学んだこととして担当の先生が次の点をあげられました。

 

「短歌についての学び」
\睫世茲蠅睇措未箒饌療なことを表現することで短歌が生き生きとする。
∩杼を駆使する場合ややもすると、観念的になりがちだが、場面の構造と描写が重要になる。
C参里任蓮⊂鐡絛隋福嵜傭里譴此廖◆嵋天の星」など)を使わない方が印象的な表現を目指せる。
上記の3点は、歌会後の推敲における視点にもなっていました。

 

生徒さんは、日常の活動で黙々と小説を書き綴ることが多いそうです。今日のように、短歌を披露しあって、意見交換をすることはほとんどないそうです。創作活動において、ときには他者の意見を聞くという活動も上達には大切だと思った生徒さんもいました。

ある生徒さんが「自分が考えている以上に、読み手はよく考えて読まれるのだと気づいたので、これからは、自分ももっと考えて読めるようにいろいろな短歌作品を読んでいきたい」と感想を述べていました。

残された問題として、作者がねらっている主題(伝えたいこと)が、肯定的であっても表現から享受されることとずれることをどう考えればよいか と提示されました。この問題は、長年取り組んでいる私たちにとっても究極の課題ではないかと思います。まずは、思い通りに言葉を駆使できていないというスキル面での未熟さに関わります。また、「作品は差し出されたときから、一人歩きするものである」という特質にもふれることもあるのではないでしょうか。

 

継続でのご愛顧に感謝し、文芸部員のお一人お一人が、先生方のお導きを支えに個性的な文芸創作に邁進され、やがては富山の文芸分野を担う存在としてご活躍くださいますことをご祈念申しあげます。

 

「短歌づくり応援ボランティア」活動報告4:富山市立堀川小学校5年2組(2017.6.28)

富山市立堀川小学校5年2組において、「短歌を詠む」の授業へのアウトリーチを実施しました。
 本学級の児童は、5月から継続的に短歌を作ると同時に、詠むことや短歌に関する疑問を学習課題としながら取り組んでいらっしゃいます。
 主体的な学びのなかで、短歌実作の力量も高めようとする意欲的な学習への支援でした。
 
 活動内容は、以下の3つの節で組みました。
  1「短歌を詠む」ことに関する疑問について全体で考える。
  2疑問解決および実作に個で取り組む。
  3まとめとして「短歌のよさ」について考えた児童の発言をもとに意見を交換する。
 1の活動では、児童は例歌を滑舌よく音読し、音読の後は「はあーん」と読み下したつぶやきを発する児童の反応もみられ、児童の発言が思考を促進していました。疑問は、「日常の短歌のネタさがしのポイント」、「描写の工夫」、「短歌づくりの工夫」でしたが、講師4名の同じ場面(目覚めてから寝床をでるまで)でつくった短歌を列挙したところでは、つまらない場面でも 個性的な歌になることに感じいっている児童の姿がみうけられました。
 2では、講師との応答を通して考えを進める児童の姿、3では、「短歌のよさ」について、自分なりの考えを積極的に発言する児童の姿、そして、全時間の真摯で礼節のある態度にも感動しました。
 これからも、児童たちの短歌づくりは成長します。継続こそが最大の力。今後も、情報提供の支援をお約束してまいりました。
 
 
 ご厚情に感謝し、堀川小学校5年2組、そして、堀川小学校のみなさんの追求の情熱が胸をうつ短歌づくりへと花咲くことをご祈念申しあげます。
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